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湿度が高く蒸し暑い日本の夏は、空調が整った現代でもつらいもの。 昔、エアコンなど無かった頃、日本人は四季を快適に過ごすさまざまな
工夫をしていました。よしずを通して涼しい空気を呼び込み、風になびく風鈴の音を楽しみ、さらにゆらゆらと泳ぐ金魚を眺めて涼を得る。 まさに五感をフル回転して涼しく過ごす術を心得ていたのです。 この頃、家は閉じられた空間ではなく、むしろ、開かれた空間で、人間
はごく当たり前のように自然と共存していたと言えるでしょう。 明治、大正、昭和と時代が変わるにつれ、日本は技術面で飛躍的な進歩
を遂げます。 そんな中で登場したのがエアコンでした。エアコンの登場は、人々の生活を大きく変えました。風により涼を呼び、日差しで暖をとる工夫をしなくても、スイッチひとつで快適な室内環境が得られるようになったからです。機械の力を借りて、夏は室内で汗ひとつかかずに過ごし、冬は春の陽気並に暖めて、Tシャツ1枚でくつろぐ。そんな暮らしも可能になりました。 ただし、その為には、閉め切って外気を遮断する事が必要です。これは
開かれた空間で自然に親しんでいた昔の人とは逆の発想です。 このような生活が続くにつれ、人々は季節のうつろいや微妙な気候の
変化にだんだんとうとくなりました。そして、人間はどんどん自然から
遠くなっていったのです。 |